■社長が元氣になれば会社は良くなる
第2回目 損益計算書で貴技工所の損益分岐点売上を知ろう!みなさんこんにちは!SBCの小原です!早速ですが、みなさんは「決算書」や「試算表」によく目を通されていますか? 「そんなもん家内に任せとるわい」とおっしゃる社長! それはいけません。 「決算書」や「試算表」は技工所の業績を具体的な数字で表している、いわば技工所の「通信簿」!! 「余計見たくないわい」 ・・・まあまあそうおっしゃらずに、棚の奥から引っ張り出しておいてください。 「決算書」や「試算表」は税金を計算するだけでなく、技工所の財政状態を分析することによって、社長が今後の方向性を決定するのに役立つのです。 『損益計算書で貴技工所の損益分岐点売上を知ろう!』 直前期の「決算書」又は正確な月次決算書を作成されている方は直前月の「試算表」をご用意下さい。 今回は『損益計算書』で、貴技工所の赤字にならない必要最低限の売上高つまり損益分岐点売上はいくらか計算してみましょう。 図の△△技工所を例に見てみましょう。 まず、上から 売上高(25,000)−売上原価(5,000)=売上総利益(20,000) 売上原価には仕入や外注技工料があります。 (外注技工料が販売費及び一般管理費に入っている方は売上原価に入れ直しましょう。製造原価報告書に入っている方はそれでOKです。) 次に、売上総利益(20,000)−販売費及び一般管理費(18,000)=営業利益(2,000) 販売費及び一般管理費には、給料、家賃、減価償却費、その他営業にかかる経費が入ります。 さらに、営業利益(2,000)+営業外収益(0)−営業外費用(240)=経常利益(1,760) 営業外収益には預金利息など、営業外費用には借入利息など主に財務活動による損益が入ります。 ここで、これらの費用の内容に注目します。 まず、売上原価に入っている仕入や外注技工料は売上の増減に伴って変動します。 売上が増加すれば、仕入や外注技工料も増加しますし、反対に売上が減少すれば、仕入や外注技工料も減少します。 このように、売上の増減に比例して変動する費用を変動費といいます。 一方、販売費及び一般管理費や借入利息は売上の増減とは関係なく毎月一定額がかかります。 売上が減少しても基本的に給料や家賃、借入利息などは減りません。つらいところです。 逆もしかりです。 このように、売上の増減に関係なく毎月一定額がかかる費用を固定費といいます。 また売上総利益の売上に占める割合を売上総利益率といいます。 売上総利益÷売上高=売上総利益率 つまり、固定費を超える売上総利益があれば赤字にならないということです。 (固定費を超える売上高ではなく、売上総利益です。) そして売上総利益を売上総利益率で割り戻すと必要最低限の売上高である損益分岐点売上が計算できるのです。 固定費÷売上総利益率=損益分岐点売上 図では、固定費は販売費及び一般管理費(18,000)+営業外費用(240)=18,240 売上総利益率は売上総利益(20,000)÷売上高(25,000)=80% 損益分岐点売上は18,240÷80%=22,800 現状の売上が25,000千円なので黒字を確保していますが、売上が22,800千円以下になると赤字になってしまいます。 ・・・減価償却費を超える借入金の返済額がある方はこの売上高では不足しますのでご注意ください。 また、個人事業主の方はご自身の生活費を役員報酬として販売費及び一般管理費に加えて 計算してみてください。 ・・・貴技工所が損益分岐点売上を超えていれば、必要最低限の売上高を認識しながら 更なる成長に向けて計画を立てやすくなりますし、 もし、損益分岐点売上を下回りそうであれば、至急、支出の見直しや 販売計画の見直しなどの具体的な改革が必要となります。 また、損益分岐点売上は設備投資をする場合などの目標売上の設定にも役立ちます。
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