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技工という仕事を好きになること
みなさん、こんにちは。
RAKUDEN訪問ありがとうございます。
このピックアップは、らくだくんフレンドに登録いただいてる技工所様から、その方の人となりを紹介していくコーナーです。
第一回目に登場していただくのは、大阪府吹田市の(株)高崎デンタルラボラトリーに勤務されます、花河俊之さんです。ラボワークの課目はポーセレンで、プライベートではテニスに励まれています。スタディグループSJCDの3期のOB会員でもあります。
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「テニス全国大会”2位”」
花河さんは昨年(2008年)テニス全国大会2位になられたとお聞きしてのですが・・・
はい、ヘッドカップという全国大会があるのですが、そこで昨年ファイナルまでいけました。結果は2位だったのですが、とても貴重な経験をしました。
いつからテニスを?
15年前からです。きっかけは当時、技工に行き詰まりを感じ、焦りやいらだち、葛藤と戦っていました。そんな時、テニススクールの体験入学のチラシが目につき、とても軽い気持ちで出かけたんです。コートの中で走り回って汗をかき、爽快な気分になり続けてみようと思いました。一つのボールに集中して無心でコートを駆けることで心地よい疲労感と様々な職業の方々と仲間になり、話をすることでそれまで抱えていた技工の問題が軽くなったのです。元々、スポーツは大好きで学生時代は野球をしていました。球技には少し自信があったのですが、テニスは思ったよりはるかに難しく、負けず嫌いの性格もあり、はまるのに時間はかかりませんでした(笑)
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力みはマイナス要素
テニスでは壁に当たりませんでしたか?
すぐにぶち当たりました。まず相手の動きについてきけない。目だけで相手を追ってしまうんですね。で、体の反応が遅れてしまう。体全体で反応するにはかなり集中力が求められました。そして何よりボールをコントロールできない。当初は筋力をつけることに専念していましたが、腕力だけではどうにもならない・・・テニスはピアノと同じで幼少の頃からはじめないと体が動かないんです。ラケットという道具と腕が一体にならないとボールをコントロールすることができません。筋肉の微妙な動きもラケットには伝わるんです。そこで、できないことはあきらめ、今から何ができるかを考えました。いろいろ試した結果、「力みがマイナス要素」だと。そしてそれを無くそうとしました。
どうすれば力まずになりましたか?
はじめは精神力がコントロールしているのかなと思い、無心になることだけ考えました。しかし、なかなか無心にはなれないんですね。座禅も考えましたが辛そうだし(笑)
そこでどれだけ自分を外から見ることができるかに挑戦しました。意外と他の人のことは見えるじゃないですか。つまり自分で自分を客観的に観測するんです。
プロ野球でも打った後、バックスクリーンに映るリプレイを見てるじゃないですか、あれですよ。他人になったつもりで自分を観察すると見えるんです。それから結構納得いくプレイができるようになりました。そして結果として勝てるようになったんです。技工もその頃から肩の力みが無くなったというか自分の力で背伸びすることなく取り組めるようになったんです。
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指し歯ではなく、口に入れる宝石
テニスと技工、どのような共通点がありますか?
そうですね。共通するのは年齢との戦い。テニスでは体力が、技工では視力が、どうしても衰えてきます。これはもう誰もが避けては通れません。自分もそれを感じる年齢になってきました。なので、どちらも以前から技術の習得には集中して取り組んできました。技術は決して失われないものです。
新人技工士さんに何か一言。
自分が若かった頃、あるDrに「技工士から見れば指し歯という感覚でも、患者様にとっては口に入れる宝石という思いがある。」と教えられたことがあります。その時本当に喜んでもらえるいいものを作ろうと決心しました。
今は以前よりいいものを作る情報と材料がたくさんある。本当にやる気になれば日本を代表する素晴らしい技工士にも必ずなれる。そしてそのためには何があっても十年は我慢する。目標を持ち、そして何より技工を好きになること。
プライベートも大切にして大きく翔いてください。
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花河 俊之
(略歴)
1962年 大阪府生まれ
箕面自由学園高校卒業
新大阪技工士専門学校卒業
ナショナルデンタルラボラトリー入社
その後、高崎デンタルラボラトリー入社
現在、同取締役専務
SJCD OB会員
株式会社高崎デンタルラボラトリー
大阪府吹田市南吹田5-10-26
http://www.takasaki-lab.com
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